シンガーソングライター&プロデューサーによるblog


by ontan

ヒーロー

ファンも待ってる 原氏監督就任最終会談




団塊ジュニア世代の僕らの少年時代のヒーローを思い起こせば、今となってはパッとしないものばかり。ウルトラマンは「ザ・ウルトラマン」「ウルトラマン80」など。仮面ライダーは「スカイライダー」「スーパー1」。それ以前の黄金期と比べても今の平成ウルトラやライダーの盛り上がりに比べてもイマイチ存在感がない。残念ながら僕らの世代は「ウルトラマン」も「仮面ライダー」もオリジナルに間に合わなかった。リバイバルで復刻された「ウルトラ」や「ライダー」をそれでも僕らは応援して熱くなって見ていた。考えてみたら、当時の子供番組って復刻モノや名作の続編が多かった。(アトムや鉄人28号、タイガーマスク2世なんてのもあった。)そして、今思えば、残念ながら多くのものがオリジナルを超えられないものだったみたいだ。


そんな僕らの世代にとっての数少ないオリジナルなヒーローの一人だったのが「原辰徳」だったんじゃないかな? 野球を観はじめるのが遅かった僕は、小学校3年生ぐらいからやっとプロ野球中継を観るようになった。新人の「5番サード原」はとてもわかりやすい格好いいお兄さんだった。僕にとって王さんは求道的な伝説の人で、長嶋についてはオッサン達が褒めそやすだけでまったく良さが解らなかった。そんな少年時代の僕の心をつかんだ「原辰徳」は4番サードになって主砲となった頃には、僕らの世代のヒーロー達に共通する「イマイチパッとしない」所を見事に発揮してもくれた。「なんでそこでダブルプレイなんだよ!おい!」と何度もテレビの前で叫んだ。時々は「中畑の方が頼りになるじゃん」とか失礼なことも思った。


そんな僕らの裏切りのせいか、ふと気がついた頃には「原辰徳」は悲愴感と気迫を兼ね備えたヒーローへと変貌していた。日本シリーズでの満塁号泣弾。あの頃から何かが変わった。団塊ジュニアの僕がようやく受験戦争をくぐり抜けて、大学1年生の頃にバイトの最中に付けっぱなしのテレビで観た「バット投げっぱなしホームラン!!」は今思い出しても鳥肌が立つ。


そんな原が引退し、しばらくしてから監督就任となったニュースを聞いた時、僕はネクタイを締めて高円寺の飲み屋で年の近い同僚と語っていた。「原が監督かあ、なんか感慨深いよねえ」と興奮気味に語る僕らの前では、やはり上司のオッサンが「長嶋がいかに偉大だったか」を僕らに語ってきかせていた。


そして突然の辞任。社会人経験も長くなって来てやっと社会ってやつの仕組みが解ってきた頃に訪れたニュースだった。揺るがない仕組み、既得権、古い常識…。いろいろな言葉が頭に浮かび、自分の日常とダブっていく。もう野球なんか観ても面白いわけがない。


所詮、僕らの世代にとっての野球っていうのもオッサン達のお古をあてがわれていただけだったのかもな。僕らのヒーローがあれだけ好きに弄ばれてしまうんだもんな。今思えば、ホリエモンが現れた時に燃えたのも、野球を盛り上げてくれると思ったからでなく、なんかぶち壊してくれそうな雰囲気があったからなのかもしれない。そんな僕は原が復帰したら野球観るのかな? 最近じゃ野球といえば『スカパー!』で「がんばれ!レッドビキーズ」の再放送を観るくらいだよ。(あ、団塊ジュニアにとってのビッキーズは「それゆけ!」の方だったりもするんだけどね。)


とはいえちょっと原監督を期待する自分もいる。だからこんなこと書いてんだきっと。

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by ontan | 2005-07-21 03:26 | 主張