シンガーソングライター&プロデューサーによるblog


by ontan

カテゴリ:知的生活( 5 )

おー、うらやましい!

70時間の補習条件に救済 未履修問題で政府



>全国400以上の高校で世界史など必修科目を履修していなかった問題で、政府は30日、卒業が危ぶまれている3年生について法的問題を集中的に検討。ほかの生徒との不公平を極力生じさせない方法として、公立、私立を問わず、履修時間が不足しているすべての生徒について、3月末までに70時間(2単位)分の補習実施を条件に卒業を認めることで救済を図る方針を固めた。



おー、うらやましい!



僕が受験生だった時に選択した受験科目は「日本史」だった。「世界史」も一応、高校の時に学んだが、その時習った先生がひどかった。ただ教科書を読み上げて、太字になっているところを黒板に写すだけ。本当にやる気のかけらもない先生だった。当然、「世界史」の面白さに気づかされることもなかった。



で、今僕は独学で「世界史」を学んでいる。ブックオフ等で旧版の「学習漫画・世界の歴史」(集英社)と、同じく旧版「世界の歴史」(中公文庫)が1冊\100程度で入手できたので、全巻揃えて、日々読み進め、また、スカパー!で「ヒストリーチャンネル」や、「代ゼミTVネット」などを録画し、それをポータブルDVDプレイヤーやiPodに入れて通勤電車の中で見たり、聞いたりしている。その中で興味を惹かれた人物や思想があれば、岩波文庫などで直接、読んで理解を深めるようにしている。



以上が僕の「世界史独学法」なのだが、学校を卒業してからの自力での勉強は、楽しくもやりにくくもある。いい先生が集中講座みたいのをやってくれるなら僕も受けたいな。



受験がある程度一段落したこの時期に「受験のためでなく純粋に世界史を学ぶ」という状況は、実は幸せなことではないか。学校の先生よ。意地を見せてみろ! 受験という制約のない時期に集中して世界史が講議できるなんて絶好の機会じゃないか。生徒達が一生忘れられないくらいの知的感動を与えてやってくれよ。「俺、世界史で受験しておけば良かった」「もっと世界史について知りたいから先生のおすすめの本を教えて下さい」とか生徒から声が出るような授業をしてやって下さい。



とはいえ実際は「プリントを適当にやらせるだけ」「教科書読み上げるだけ」の授業しかできない先生も多いんだろうな。この際だから文部省で特別チームを作って「地域合同世界史補習セミナー」でもやってはどうか。大学の先生や、作家さん評論家さん、予備校や塾の先生などからも能力の高い人を集めて、地域の公民館とか博物館とかで「本当に面白い世界史の授業」を世界史を履修できなかった高校生を一同に介して行なうのだ。そして、ついでに過去に世界史を履修できないまま卒業した人や、僕のようにロクデモナイ授業しか受けられなかった人、さらに地元の御老人なども無料、もしくは格安で参加できるようにして、地域振興にも役立てていけばよい。



無理矢理に数字を摺り合わせるだけなら皆にとって辛いものにしかならない。これをむしろチャンスと考えて、より皆のためになる方向で、この問題に取り組むことができればそれが一番いいはずだ。

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by ontan | 2006-10-31 11:08 | 知的生活

昔図書館、今電車

<図書館>小学生は本が大好き…貸し出し過去最高 04年度


僕も学校の図書館は頻繁に利用したものだ。本を読むことは楽しい。でも最近は図書館派でなく、蔵書派。おかげで部屋が狭くなって仕方ないや。蔵書派である理由は、「返しに行くのが面倒」「思い立ったらその時すぐ読みたい」というところか。でも小学生は自分のお小遣いではそんなにたくさんの本を買えないだろうし、忙しいこともないだろうから大いに図書館を使うといいさ。


最近は「青空文庫」なんかもあるし、今の時代に子供をやってみたかったと思うことがある。多分ひきこもりになったであろう自信はある!


やっぱり読書の醍醐味は直接対話できないような偉人の方々の言葉や思想に直接触れることができることかな。最近の僕のマイブームは「夏目漱石」。「明暗」まで読み終わってから続きが気になって「続明暗」にとりかかったところだ。(漱石じゃないけど。)


これからシーズンがら通勤時間が増えそうなので、読書量も増えそうだ。そうだ、大人の僕には電車が書斎なのだ!

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by ontan | 2006-07-22 01:19 | 知的生活

ゼロ年代の批評の地平

ゼロ年代の批評の地平 —リベラリズムとポピュリズム/ネオリベラリズムと題されたセミナーに行ってきた。生で東浩紀を見たかったのと、自分としても最近興味を持っているテーマだったからという理由だ。


ただ行っただけではもったいないので、僕が印象に残ったやりたりをメモ書き程度にまとめてみた。



北田氏「ネット上のナショナリズムはコミュニケーションのネタに過ぎない」
東氏「ネタということがアメリカでは、なかなか理解してもらえなかった。ネタで済まない人達もいる」
山本氏「ネットの世界=右ということではない、主体的に発信している人の情報が大きく見えているだけ」
齋藤氏「かつての他者はコミュニケーションの通じにくい相手であったが、現在は過度に内面まで通じたコミュニケーションが可能となった、それによって"コミュニケーションによる成長や変化が起こらない"という事態に到っている。」「"変化しない意識"の共有から否応無しに"保守"を選択させられている」
山本氏「コミュニケーションの形態が、電話からメールやネットへと変化したため、"本音のつぶやき"が目にふれるところに現れるようになった」「"変化しないだろ"という気分が保守の形で現れる」
東氏「自分も北田さんも、現状では"変わらない"ものを、とにかく精緻に分析してみようという立場、最近の宮台真司については、いくら政治的発言をしても本気で"変わる"と信じているのか疑問」


東氏から山本氏へ「今の保守とは変化へのあきらめなのか?」
山本氏「反射的な回答をしているだけの人間が多いだけ、例えばネット上での嫌韓はただNOと言いたい人達の発言、あくまで保守"的"なものにすぎない。」「バイト・派遣社員は奴隷のような立場にいる。失うもののない奴らが騒いでいる。」
北田氏「ネットはどうでもいい話題によって実存的不安を解消する装置と化している。嫌韓は韓流支持の主婦層やマスコミへのアンチの表明。」
齋藤氏「若い人は過激な主張であれば、保守でもリベラルでもなんでもいい。流動性が見られる。」
東氏「"現実は変わらない、保守もリベラルも意味をなさない、以上終わり"ということでいいのか?」
齋藤「人々を先導する役目の人がポピュリストとなり、先導される人々は動物化してゆく」「言説の立場は、コンスタティブとパフォーマティブの2つがあるが、小泉首相はその中間的な人物。明らかにコミュニケーション能力に欠けていているが、それが人々をひきつけている。」
山本「小泉はキチガイ。だがそういうルールの社会なのだからポピュリズムしかない。広告業界などの手法が政治に当てはめられている。民主党はポピュリズム対ポピュリズムのカウンターとしての役割を果たせなかった。」



東氏から北田氏に「保守とリベラルという対抗軸の見えないこの情況にどう介入したい?」
北田氏「自分にとってのリベラルは断念した結果辿り着いた選択肢に過ぎない。一種のフィクションとして認めている。コミュニケーションの手法と言える。"リアルが大切"という人からは排除されがちだが。」
東氏「リベラリズムは"コミュニケーションの手法"ではなく、政治運動のはず。"コミュニケーションの手法"ということはよく理解できるのだが、そんなことでいいのかとも思う。」「自分も"動物化するポストモダン"で動物化ということは示したが、それについて、いいとも悪いとも言わなかった。」「何らかのポジティブなビジョンを出したいのだが、分析的な立場からはオルタナティブなものは出しにくい。」「ポストモダンで育った者には設計することはやりにくい。脱構築することが正義とされて来た。」
山本氏「東さんは分析したいのか?対策を出したいのか?」「 結局東さんは本当のところ何をしたいのか?」
東氏「そのうち答えたい。」(この辺りからやや閉塞感のある雰囲気となる。)


東氏「僕が受けてきた教育と社会の実情がぶつかる」「多くの動物化した人々を支配する一部の人々というふうになると、人間中心主義ではやってられない。」「小泉に見られるポピュリズムは動物化への動き」「"僕が"とかの問題ではなく、20世紀の人文科学の知自体の問題。」


北田「ネット上でナショナリズムに走る人は"人間になりたい"という現れでは。」
東氏「理想は回復できるものなのか? 理想もネタに過ぎないのか? ポピュリズムには、もう一つのポピュリズムで対抗するしかないのか?」
山本氏「普通の人は理想をまとめられない。アカデミズムの方から提出するべきだ。今はナショナリズムくらいにしか拠り所がない。保守は同質感も持つものなので、合一しやすい。」
北田氏「大澤さんも宮台さんも理想を提出しているのかもしれないが、現実にフィットしているとは思えない。自分としては答えを出せない。」
東氏「作ることは大事だと思う。今の保守は過去を呼び戻しているだけ。保守も新しいものを作る必要がある。例えば、今後移民は受け入れざるを得ないだろうが、日本は昔から移民国家だということを保守の側から言ってもいいはずだ。」


齋藤氏「今日の議論は閉塞感を感じた。言説に閉じている。例えば"ヤンキー"という層には届いていない。」
東氏「出版の衰退のせいもある。希望としては北田さんとともに雑誌を作りたいと思っている。だが、それには"何のために"というものがないとダメだと思っている。」


最後の質議応答。東氏が客席にいた宮台真司氏にふる。

宮台氏「若年世代の批評家達の閉塞感を感じた。自明性が消えそれを、"神"とか"理性"とか"伝統"とか、とにかくいろいろなもので埋めようとしている時代に、日本で埋めることのできるものが何かと、今日は期待したのだが、特に出てこなかった。」
東氏「宮台さんは『"大きな物語"はやはり必要だ。君達はどういうカードを持ってるの? 今日は出て来なかったね』ということを言いたいのでしょう」(と前置きした上)
「"カードなんかなくてもいい"と言えればよいのだが、最近は"大きな物語"への回帰が当たり前となりつつある。自分は"再近代化"しなくていいと思っている。オルタナティブを示すためには人権とか一人一票の選挙制度とかいろいろなことを壊す事になるかもしれない。今はそのためのカードを揃えている段階だ。」



最後の東氏の言葉には心を打たれた。閉塞感を認めた上で安易に「大きな物語」への回帰に走らず、「わからない」「答えられない」という言葉をたくさん使いながらカードを探すことを諦めていない東氏に同世代として僕は大いに共感した。

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by ontan | 2005-12-26 00:32 | 知的生活

選挙本

さて選挙が近いが、選挙を変な角度から描いた本を3冊。

“選挙だワッショイ!マニアが教える「選挙」の全て”(basilico)岩中祥史

中学生の頃から授業中もラジオで結果速報を聞いていたという選挙マニア(!)である筆者による選挙についての様々な雑学本。そういえば学校で習ったことや、絶対に学校では習えないような選挙の裏側まで語る。

“選挙参謀 三ヶ月で代議士になれる!”(太田出版)前田和男

実際に民主党から立候補した候補者の選挙スタッフとして尽力した筆者による選挙活動の奮闘記&ドキュメント。団塊の世代のオッサン達が熱い! 立候補決意から党の公認、実際の選挙活動、そして選挙終了までの三ヶ月を描く。選挙にまつわる裏事情まで含めた、結構生々しい部分にまで記述が及んでいる。日本の選挙の実情がいろいろな意味でよくわかる。いろいろな人達の人間模様がよく見える。これって映画にしてもいいんじゃない?(伊丹十三みたいになりそうだけど。)

“代議士のつくられ方 小選挙区の選挙戦略”(文春新書)朴吉吉熙

こちらは自民党の新人候補の当選に到るまでの選挙戦略、選挙活動を分析している。小選挙区制導入間も無い頃の本なのでやや古くなってしまったが、ここで提示されている問題は今でも変わっていないものが多い。
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by ontan | 2005-09-10 01:31 | 知的生活

歴史に学べ

「知的生活の方法」渡部昇一
「読書家の新技術」呉智英
「バカのための読書術」小谷野敦

などの読書欲をかきたてる本をよく読んだ時期もあったが、最近はそういう雰囲気でもない。「知的生活の方法」で渡部氏が「週2日はこもるべき」という旨言っていたが、最近は妙に社交的な日々を送っているためなかなかそうもいかない。せいぜい移動の電車中が読書タイムかな。

あらかじめ様々にカテゴリー分けしたこのブログだが、「知的生活」というカテゴリーは、進まないかもしれないな。一時期は、ひたすら哲学や思想についての本を読んでいたんだけど、最近はどうも内省的なものがイマイチ馴染まない。なんと「ビジネス書」なんかを読むようになって自分でも驚いている。(買っている雑誌は「プレジデント」。お前は社長か。)なんか文学部っぽくないなー。実は授業でも指定のもの以外は使用できないという状況なので、そちら方面でも新たな何かを求める意欲があまり湧かない。というわけで、いい機会なので「積ん読」状態になっていた「世界の歴史」(中公文庫)全16巻を気長に読むことにしている。小谷野敦氏も「バカのための読書術」で「バカは歴史を学問の中核とするべき」旨を述べている。哲学・思想向けでない頭になっている時には、むしろちょうどいいかな。ビジネス書でも「歴史に学べ」とか言っているし、しばらくはこれ読んでいこう。ようやく今第3巻。中世に差し掛かってフランク王国とか出て来た。
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by ontan | 2005-07-15 01:17 | 知的生活